サプライチェーンマネジメント
ガバナンス
当社グループは、2021年3月期より調達ガイドラインの遵守状況に関するサプライヤーアンケート、アンケート結果に基づくリスク評価および是正対応状況のモニタリングを実施しています。
その運用状況について、サステナビリティ委員会(委員長:野村不動産ホールディングス代表取締役社長 兼 グループCEO)で定期的に確認を行っており、グループ全体のサプライチェーンマネジメントの進捗状況をモニタリングしています。
方針・ガイドライン
野村不動産グループ 調達ガイドライン
当社グループは、「調達ガイドライン」(日本語版および英語版)を2018年9月に策定以降、すべてのサプライヤーに対して運用を開始し、「調達ガイドライン」の遵守を要請しています。
加えて、業務委託契約書・発注書(新規委託先および再発注先を含む)に当ガイドライン遵守についての条項を盛り込むようにしており、2024年3月末時点で概ね全てのサプライヤーへの周知が完了しました。
その後も新規取引先への周知や契約時の遵守要請を通じて、調達ガイドラインの継続的な周知・浸透を図っています。また、社内監査でも調達ガイドラインのサプライヤーへの周知状況を確認しています。
【野村不動産グループ 調達ガイドライン】
- 適用範囲
- 調達ガイドライン
- Ⅰ.コンプライアンスの確立
- Ⅱ.人権の尊重
- Ⅲ.公正な事業活動
- Ⅳ.環境への配慮
- Ⅴ.品質の確保・向上
- Ⅵ.情報セキュリティの確保
- Ⅶ.不正通報システム
- Ⅷ.BCPの構築
サプライチェーンのリスク評価フロー
当社グループは、サプライチェーン上の人権を含む社会および環境のリスクを適切に管理するため、リスクの特定・評価を継続的に実施しています。
当社グループの事業およびサプライヤーの特性を踏まえ、当社グループにとってサプライチェーン上のリスクが高い領域を特定し、深刻度に応じた評価やエンゲージメントを実施する仕組みを構築しています。
具体的には、外国人技能実習生の雇用に係る人権リスクや、海外事業におけるプロジェクト参画時に開発エリアにおける人権侵害の可能性など、事業特性に応じたリスク評価を実施しています。

2026年3月期には、これまで実施してきたサプライヤーアンケートやモニタリング面談の結果を踏まえ、主なサプライヤー業種ごとの人権リスクを再評価しました。一律の管理手法では把握が難しい業種ごとの固有リスクを特定することで、より実効性の高い人権デュー・デリジェンスの推進に取り組んでいます。
サプライヤー業種別人権リスク評価結果
| 人権リスク指標 | 建設・専門工事 | 廃棄物処理 | 不動産管理運営 (清掃など) |
原材料生産 | 資機材製造 ・加工 |
人材仲介 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ①児童労働 | ● | ● | ● | ● | ||
| ②強制労働および人身取引 | ● | ● | ● | ● | ● | |
| ③あらゆる差別 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| ④ハラスメント | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| ⑤適正な労働環境 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| ⑥適正な労働条件 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| ⑦顧客・利用客などの生命・健康 | ● | |||||
| ⑧近隣住民などの生命・健康 | ● | ● | ● | |||
| ⑨用地取得の経緯 | ● | ● | ● | |||
| ⑩プライバシー |
- ※●は相対的に優先度が高いリスク
評価の結果、建設・専門工事、廃棄物処理、不動産管理運営、原材料生産、資機材製造・加工、人材仲介などの業種ごとに、人権リスクが発現しやすい領域が異なることを確認しました。今後は当該評価を踏まえ、アンケート設計やモニタリング面談、勉強会などのエンゲージメントを業種特性に応じて実施することで、人権リスクの予防・低減を図るとともに、人権デュー・デリジェンスのさらなる高度化を進めていきます。
これらの取り組みを通じて、持続可能かつ強靭なサプライチェーンの構築を推進し、当社グループの持続的な成長を支える事業基盤の強化に取り組んでいます。
新規サプライヤーへの取り組み
当社グループは、新規サプライヤーとの取引開始の前に、コーポレート部門による与信チェック、各事業部店による品質・価格・納期面での適正チェックを実施(実施率100%)し、リスクの懸念が解消されたサプライヤーとのみ契約を締結しています。
また、新規取引開始時においては、人権の尊重や環境への配慮など調達ガイドラインに記載している項目についてもリスク評価を実施したうえで取引を開始しています。
契約時には、「調達ガイドライン」の遵守を要請するとともに、その遵守を条項に盛り込んだ契約書・発注書をすべての新規取引において締結するように努めています。
サプライヤーとのエンゲージメントの推進
2021年3月期からサプライチェーンに対して「調達ガイドライン」の項目における認知・運用状況の調査を開始しました。トライアルとして2021年3月期に主要サプライヤー10社にモニタリング面談を実施した結果を踏まえ、2022年3月期からは、当社グループの調達金額ベースで上位約80%を占める重要サプライヤーを対象としたウェブアンケートを開始しました。
2026年3月期には重要サプライヤー約300社を対象にウェブアンケートを実施し、そのうち163社からアンケート回答を受領しました。今後、回答結果を分析した上で、約10社を対象に、取り組み状況の確認を行い、社内体制の整備・人権リスク低減施策の推進を促すなどの対応促進依頼を含んだモニタリング面談および、人権啓発を目的とした個別勉強会を実施しました。
なお、一部のサプライヤーについては過去に実施した面談のフォローアップとして継続的な対話を行い、改善状況の確認や新たな課題の把握に努めています。
加えて2026年3月期には、サプライヤー約150社を対象に人権デュー・デリジェンスの重要性および調達ガイドラインに関する全体勉強会を実施し、理解促進と意識向上を図りました。
なお、2026年3月期、一連の調査において法令違反が検出されたサプライヤーは0件でした。
参考 調達ガイドライン アンケート回答企業へのフィードバック資料
サプライヤーとの協働による現場実査
2026年3月期には、一次サプライヤーおよび二次以降のサプライヤーと連携し、浜松町ビルディング内装解体現場において実地調査およびヒアリングを実施しました。アンケートや対話だけでは把握が難しい現場の実態や潜在的な人権リスクを確認するため、現場における労働環境や安全衛生管理、外国人労働者への対応状況等を確認し、サプライチェーン上の人権リスクの把握および改善に向けた対話を行いました。
サプライヤーとの連携を通じて、現場実態に即した人権リスクの把握と管理の高度化に取り組んでいます。


指標と目標
目標・KPIと実績データ
| 項目 | 2030年目標 | 単位 | 2023年3月期 実績 |
2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
2026年3月期 実績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 調達ガイドライン アンケート実施率※1 | 80 | % | 51.1 | 56.4 | 70.0 | 56.4 |
- ※1実施率:当社グループ全体の調達金額総額(取引金額)を分母、アンケート回答企業からの調達金額総額(取引金額)を分子として算出した調達金額カバー率
その他実績データ
| 項目 | 単位 | 2023年3月期 実績 |
2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
2026年3月期 実績 |
|---|---|---|---|---|---|
| 調達ガイドライン アンケート回答企業数 | 社 | 154 | 132 | 157 | 163 |
| 法令違反件数 | 件 | 0 | 0 | 0 | 0 |
調達ガイドラインエンゲージメント結果
| 対象となる基準 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 重要なサプライヤー※1の特定 | 調達金額が大きいサプライヤー | 上位300社 | 上位300社 | 上位300社 | 上位300社 |
| ウェブアンケートの実施(実施率※2) | 重要なサプライヤー | 154社 (51.1%) |
132社 (56.4%) |
157社 (70.0%) |
163社 (56.4%) |
| リスクに対する直接エンゲージメント | 一部懸念のあるサプライヤー | 10社 | 10社 | 12社 | 10社 |
| 確認された主な懸念事項 | 2022年3月期の事項に加え、法令で定められている以外の仲介手数料などの渡航前費用の実態について確認できず。 | 各社「通報窓口」の運用体制は概ね整っている一方で、通報件数自体が少なく、期待通り機能していない懸念がある。「アクセス性の向上」「透明性の確保」に主眼を置いた更なる実効性向上が課題。 | 雇用している外国人技能実習生が渡航前に送り出し機関等へ支払った費用の明細確認有無や、手書きによる勤務時間の記録の客観性について、一部の企業において要改善点が見受けられた。 | 調整中 | |
| 法令違反件数 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
- ※1重要サプライヤー:当社グループの調達金額ベースで上位約80%を占めるサプライヤー群
- ※2実施率:当社グループ全体の調達金額総額(取引金額)を分母、アンケート回答企業からの調達金額総額(取引金額)を分子として算出した調達金額カバー率