考え方・方針
全体方針(環境)
全体方針のもと、街づくりにおいて生じる自然資源の枯渇を大きな社会課題と認識し、廃棄物排出量の削減、建物の長寿命化、再資源化、シェアリングを取り入れた街づくりやサービスの提供を通じ、脱炭素社会、循環型経済に貢献していきます。
マネジメント
指標と目標
目標・KPIと実績データ
項目 | 2030年目標 | 単位 | 2023年度実績 |
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KPI建物長寿命化の取り組み | 自社基準100%※1 | % | 89 |
KPI廃棄物量削減と廃棄物再利用率向上(2021年度比) | 産業廃棄物20%削減 | % | 24 |
以下のいずれかに該当していること ①プラン変更の自由度確保 ②可変性に資する建物認証制度の取得③法令基準を上回る積載荷重④法令基準を上回る耐震性⑤外装の高耐久化
2030年までの重点課題(マテリアリティ)に関する計測指標(KPI)
その他実績データ
項目 | 単位 | 2020年度 実績 |
2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績 |
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建物の長寿命化への取り組み: 「re:Premium(リ・プレミアム)」工事完了件数 |
件 | 9 | 13 | 20 | 20 | ||
建物の長寿命化への取り組み: 「アトラクティブ30」採用物件数 |
件(戸) | 23 (2,390) |
28 (2,936) |
26 (3,503) |
17 (2,231) |
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廃棄物※1 | 廃棄物排出量(一般廃棄物・産業廃棄物合計) | 千t | 5.11 | 7.21 | 11.18 | 10.86 | |
廃棄物排出量原単位(一般廃棄物・産業廃棄物合計/集計対象物件の延床面積) | kg/m2 | 3.05 | 3.50 | 5.45 | 5.82 |
廃棄物排出量集計対象範囲はESGデータ集(環境)をご覧ください。
取り組み
廃棄物削減の取り組み
既存マンションの再生
当社グループは、築年数が経過したマンションを新たな価値を持つ住宅に再生する取り組みを進めています。「プラウド上原フォレスト」は、築30年以上経過したマンションに居住性能を高めつつ最新技術による余剰容積を活用した増築などを行い、民間デベロッパーでは初めて、築年数が経過したマンションにおいて長期優良住宅認定を2019年に取得しました。また、第三者評価機関から65年の耐用年数が証明されました。
廃棄物の削減および再利用
当社グループが運営する「NOHGA HOTEL(ノーガホテル)」は、バスアメニティの個包装不使用、植物繊維由来の生分解性竹ストローの使用などによるプラスチックの削減、革や和服の端切れを再利用したネームプレートやチーフを使用するなど、廃棄物の削減および再利用に取り組んでいます。
また、「ノーガホテル」、「庭のホテル」では、ECOMMIT社と協業し、宿泊者の不用品(衣服等)の改修や、遺失物の再資源化の取り組みを開始しました。
サーキュラーエコノミーに向けたペットボトル一元回収の実証実験
当社はサーキュラーエコノミー・CO2削減を実現するための取り組みとして、サントリー食品インターナショナル株式会社、白井グループ株式会社および株式会社首都圏環境美化センターと協働で野村不動産グループが管理する19物件(オフィス4物件・マンション15物件)を対象にペットボトル一元回収の実証実験と分別排出状況の検証を実施しました。今後は、実証の結果を踏まえ、さらなるCO2削減および回収効率の向上と分別の啓発活動を推進していきます。
実証検証の概要
背景 | 国内のペットボトル回収率は高い一方で、その多くはペットボトルよりも品質が低下する形態でのリサイクルであり、その場合、再度ペットボトルとしてリサイクルすることが難しくなることから、ペットボトルを生産するために新たな資源投入の必要が生じる状況 |
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目的 | 使用済みペットボトルを原料に、同一種類の製品につくりかえる「水平リサイクル」の取り組みが期待されており、同取り組みを実現する上での課題の一つである回収コスト合理化の検証と運搬時のCO2削減効果の検証 |
結果と今後の展望 | 一元回収により回収効率が向上し、回収車両から排出されるCO₂削減に寄与する結果。他方、オフィスから回収したペットボトルは異物混入率が多くリサイクル品質の低下を招く課題を確認。今後は、異物混入率の低減に向けた取り組みを検討 |
サーキュラーデザインの実現
長寿命・高耐久化の取り組み
当社グループは、長寿命・高耐久素材の採用や、適切な管理・修繕計画により、建物の長寿命化を図っています。
大規模修繕の長周期化への取り組み
当社グループは、分譲マンションの居住者および管理組合の経済的・心理的負担を減らし、大規模修繕計画を確実に実行するために、大規模修繕の長周期化に向けた商品・サービスを提供しています。
竣工済み分譲マンションの取り組み
高齢化や空き家の増加により、修繕金の積立てが計画通りに実行出来ていないマンションは約35%にのぼります (国土交通省調べ)。
当社グループが提供する「re:Premium(リ・プレミアム)」は、竣工済みの分譲マンション「プラウド」に大規模修繕の長周期化を図る修繕工事で、通常12年ごとに計画される大規模修繕工事の周期を16~18年に延伸し、竣工後60年までの「超長期修繕計画」を策定可能にします。この取り組みを通じて、建物の長寿命化や、廃棄物の削減のみならず、ライフサイクルコストの大幅軽減により、お客さまの心理的・経済的負担を軽減します。このようなことから、当社グループは、「re:Premium(リ・プレミアム)」採用物件の拡大を推進しています。
2020年度には、当社グループが管理受託するコープ野村東六郷管理マンションの高性能化とライフサイクルコスト低減を図る「共用部排水管改修工事」(※管種の異なる共用部分の排水管等を樹脂管へ一斉交換)が、国土交通省が支援する「マンションストック長寿命化等モデル事業」に認定されました。
新築分譲マンションの取り組み
当社グループは、新築の分譲マンションの長寿命・高耐久化を目指す「アトラクティブ30」を、2018年度より開始しました。同取り組みのもと、高耐久部材・工法の採用および「re:Premium(リ・プレミアム)」「re:Premiuma Duo(リ・プレミアム デュオ)」の導入を推進し、大規模修繕の長周期化を実現していきます。
サプライヤーとの協働
当社グループは、資源使用に関してサプライチェーン全体で適切な管理を目指しています。その実現に向け、「野村不動産グループ 調達ガイドライン」を策定し、サプライヤーの皆さまとともに、環境負荷の低減に取り組んでいます。
【野村不動産グループ調達ガイドライン(関連部分抜粋)】
・商品・製品・サービスのライフサイクルを延ばし、廃棄物を抑制するサーキュラーデザインの取り組みを通じて、エネルギー使用量および温室効果ガス排出量の低減に取り組む。また、水をはじめとした天然資源 を効率的に利用し、使用量を最適化・削減するよう努める。
・有害化学物質について、適正な管理を行い使用量の低減に努めるとともに、環境や人体へ悪影響を及ぼす汚染物質排出の削減に努める。
・廃棄物の削減と適正な管理に努める。
・原材料調達において、生物多様性保全と資源の持続可能な利用に配慮する。特に木材について、違法伐採された木材が使用されないよう適切な注意を払うとともに、再生材、認証材などの持続可能な方法で生産された木材を活用するよう努める。
住宅事業における認証木材由来紙・植物由来インキの利用
野村不動産住宅事業本部では、プラウドなどの分譲事業の紙の広告制作物において、これまで以上に環境への配慮を実現すべく、各種パンフレット、各種ガイド、ダイレクトメール、図面集、折込チラシなどは、原則として適正に管理された森林の木材を原料とした用紙を使用しています。また、インキは、従来使用されてきた石油系の溶剤と比べ生分解性がある植物油インキを採用しています。これらの用紙とインキを使用した印刷物には、使用の事実に基づいてマークや文言を掲載しています。今後も、環境に配慮した製品を使用し、環境負荷低減に努めていきます。
サステナビリティ
- 環境(気候変動と自然環境)
- 社会(社会と社員)
- ガバナンス
- ESGデータ集