事業等のリスク

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、主要なリスクのうち当社事業に与える影響の大きさや外部環境等を踏まえ、2022年3月期において特に注視するリスクを選定しております。
なお、文中の将来に関する事項及びリスクの認識は、2021年3月期末現在において当社グループが判断したものであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

(主要なリスク)

リスクカテゴリー 定義 主要なリスク
(A) 投資リスク 個別の投資(不動産投資・戦略投資(M&A)等)に関するリスク 不動産投資に伴うリスク
戦略投資(M&A)・新規事業に伴うリスク
(B) 外部リスク 事業に影響を及ぼす外的要因に関するリスク 市場の変化によるリスク
経済情勢の変化によるリスク
政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク
事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク
(C) 災害リスク 顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害に起因するリスク 顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク
(D) 内部リスク 当社及びグループ各社で発生するオペレーショナルなリスク 法令違反によるリスク
品質不良の発生によるリスク
情報システム危機発生によるリスク
人材に関する事項への対応不備によるリスク
不正、過失等の発生によるリスク

(特に注視するリスク)

リスクカテゴリー 主要なリスク項目
(A) 投資リスク
  • 不動産開発事業における収益性の悪化や事業スケジュールの遅延等
  • 新型コロナウイルス感染症の影響が大きい事業(フィットネスクラブ・ホテル事業等)における回復の遅れ
(B) 外部リスク
  • 不動産売買マーケットや株式市場の変化
  • 海外各国の経済・不動産市場の変化
  • 新型コロナウイルス感染症による人々の行動変容
  • 進化を続けるデジタルテクノロジーの活用の遅れ
(C) 災害リスク
  • 甚大化する豪雨等の自然災害の増大
  • 新型コロナウイルス感染症の流行による事業継続への影響
(D) 内部リスク
  • 不動産開発事業における設計・施工の不備の発生
  • 多様な人材を確保するための人事制度整備の遅れ
  • サイバー攻撃による情報流出・業務遅延・損害等の発生

主要なリスク項目の内容と主な取り組みについては以下のとおりです。

リスク項目 ①不動産投資に伴うリスク リスクカテゴリー (A)投資リスク
リスクの内容  当社グループが行う不動産投資・開発事業においては、予期せぬ土壌汚染の判明、許認可の取得の遅れ、追加の工事の発生等により、事業が計画通りに進捗しない場合があります。そのような場合、当初の事業スケジュールの変更に伴う竣工時期・計上時期の遅れや追加費用等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  不動産投資・開発事業については、予めリスクの抽出及び分析・評価、リスクテイクまたはリスク回避の方針を検討の上、当社またはグループ会社の経営会議または取締役会等において判断をしております。特に、土壌汚染に関しては予め来歴調査や汚染調査を実施しており、汚染が確認された場合は、当該用地の取得中止又は専門業者による汚染の除去等の実施をしております。
 また、事業用地の取得後は、スケジュールが遅延するリスク及び建築コストの状況等について、事業を所管する組織にて把握し、特に重要な事象が発生した場合には必要に応じて当社またはグループ会社の経営会議または取締役会等に報告し、課題への対応を行っております。
リスク項目 ② 戦略投資(M&A)・新規事業に伴うリスク リスクカテゴリー (A)投資リスク
リスクの内容  当社グループは、M&Aを成長戦略の一つとして位置付けており、シナジー効果が期待できるM&Aを実践していくことで、グループにおける企業価値の向上を目指しておりますが、M&A対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループでは、既存の事業領域にとどまらない、新事業領域への取り組みや新たなアセットタイプへの投資等を検討・実施しておりますが、当初計画する事業計画やグループ各社とのシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  M&Aにあたっては、主な投資対象と投資目的を定めるとともに、当社グループの既存事業とのシナジー効果、事業計画、財務内容及び契約関係等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に実行しております。また、M&A実行後には、対象会社と当社グループとの統合プロセスの状況、経営課題及びその対応方針等について、取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。
 新規事業の検討にあたっては、当社グループの既存事業とのシナジー効果、事業計画等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に実行をしております。また、新規事業への参画後は、事業の推移等を定期的にモニタリングし、計画の修正や再生等が必要な場合には、取締役会または経営会議にて審議を行っております。
リスク項目 ③ 市場の変化によるリスク リスクカテゴリー (B)外部リスク
リスクの内容  当社グループは不動産関連の様々な事業を行っており、それぞれの事業環境や市況の変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、経済情勢の変化や災害の発生等により、不動産関連の事業環境や市況等に影響が生じる場合があります。
 住宅部門においては、顧客の購買意欲の減退、それに伴う販売価格の低下や在庫の増加等が生じ、事業計画で想定した利益が確保できない状況や保有するたな卸資産の評価損等が発生する可能性があります。都市開発部門においては、賃料水準の低下や空室率の上昇、キャップレートの上昇による資産価格の下落等が生じ、事業計画で想定した利益が確保できない状況や保有するたな卸資産や固定資産の評価損等が発生する可能性があります。その他、不動産売買市場における需要の減退、REIT市場における投資口価格の下落や投資ファンド等の需要減退、建築費の上昇等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  当社グループでは、各事業についての外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めております。
不動産投資・開発事業における投資決定にあたっては、現在及び将来の市場の状況を把握または予測するとともに、過去のマーケットの推移等も確認し、市況の変動が発生した場合においても影響を一定程度に抑えることを基本としております。また、市場の状況に急激な変動が生じた場合でも、財務状況に関して一定の健全性を確保することができるように、リスク評価を実施したうえで、投資予算を策定しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症による影響が不動産関連の事業環境や市況等において顕在化して以降、当社グループのビジネスの特性ごとに、各事業への影響の検証を行い、経営会議等で対応方針や今後の戦略について審議いたしました。また、当連結会計年度の4月~5月に発出された緊急事態宣言下では、各事業への影響を見極めるために、グループ各社における投資決定時の基準等の社内ルールの運用を一部見直し、市場の変化によるリスクへの対応を行いました。
リスク項目 ④ 経済情勢の変化によるリスク リスクカテゴリー (B)外部リスク
リスクの内容  国内外の景気後退、市中金利の上昇による資金調達コストの増加、為替レートの変動による円換算での投資額及び回収額の変動ならびに連結財務諸表上の外貨建ての資産及び負債額の変動等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  経済情勢の変化については、外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握に努めております。また、新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化して以降、企業業績、個人所得・消費等の動向を特に注視しております。借入金による資金調達にあたっては、長期・固定での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇のリスクへの対応を図っております。また、為替変動のリスクについては、海外で展開する事業種別を踏まえた為替ヘッジ方針を定め、これに沿った運営をしております。
リスク項目 ⑤ 政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク リスクカテゴリー (B)外部リスク
リスクの内容  当社グループの各事業には国内外の各種法規制等が適用されております。例えば、国内においては、「宅地建物取引業法」や「建築基準法」に加え、不動産関連の様々な法規制が適用されているほか、「金融商品取引法」等による規制も適用されております。これらの法規制が変更されあるいは追加された場合、また今後の事業範囲の拡大により新たな法規制等の影響を受けることになった場合には、新たな義務や費用負担の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産事業に影響がある国内外の各種税制・会計制度等の変更がなされる場合には、資産の取得・保有・売却時の費用の増加、顧客の購買意欲の減退や企業のファシリティ戦略の転換・投資計画の修正等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。海外においては、その国固有の社会情勢に基づくカントリーリスク、国内とは異なる法規制・税制に関するリスクがあり、事業開始時には想定していない社会情勢の変化や法規制・税制の変更及び新設があった場合、新たな義務、費用負担及び事業推進上の障壁等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  各種法規制、税制及び会計制度の動向について、業界団体や専門家、取引関係先等からの情報を収集・分析して当社の第2線の各組織にて対応の検討を行い、重大な影響が予想されるものについては内容に応じて取締役会または経営会議にて審議を行っており、当連結会計年度においては、「民法(債権法)改正の対応」等について審議を行いました。
また、海外における事業においては、各国の社会情勢を調査・分析の上、当社グループの財務的なリスク許容量と照らし合わせ、国ごとの投資枠を設定しています。また、事業参画時に外部の専門家の知見を踏まえ、適用される法規制及び税制等を確認し、参画後には事業の戦略・収支・推進等に影響を及ぼす重要な関連法令の変更の状況等を定期的に確認し、変更がある場合には影響の評価・対応の方針等を検討のうえ、取締役会または経営会議にて審議を行っております。
リスク項目 ⑥ 事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク リスクカテゴリー (B)外部リスク
リスクの内容  当社グループが関係する不動産関連の様々な事業分野において、急速な技術革新や革新的な新規参入企業が出現し大きな産業構造・事業環境の変化が起きた場合や、社会構造の変化に伴う顧客のニーズの変化等への対応に遅れた場合には、競争優位性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  当社グループはこれまでも事業環境の変化の中で、マーケットインの発想に基づく不動産開発力や、街づくり・不動産関連サービスにおける品質へのこだわりといった強みを活かし、独自性の高い新たな価値を創造し、社会とお客様に提供してまいりました。この強みを更に高めるため、当社にDX・イノベーション推進部を設置し、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発・デジタル戦略等の企画・推進・支援等を行うとともに、当社グループ各社の従業員が、日常の業務の枠組みを超えて新規事業等を提案できる「事業アイデア提案制度」を設け、新規事業や新しい商品・サービスの事業化を推進するとともに、グループ内表彰制度「野村不動産グループアワード」を通じた、変革による価値創造に挑戦する風土の形成やグループ連携の強化に取り組んでおります。また、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて、出資先となる革新的技術やサービスを持つベンチャー企業と協業し、デジタルテクノロジーを活用したサービスの提供を開始しております。
気候変動については、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書等の将来シナリオを把握のうえ、各シナリオで想定されるリスクと機会を分析しています。また、顧客ニーズを適切に把握するために顧客満足度調査を実施し、分譲マンションにおけるZEH-Mの開発や商品企画・設計時の環境性能評価の実施、環境認証の取得等に取り組んでおります。

<新型コロナウイルス感染症に関する事項>
新型コロナウイルス感染症の影響により、ライフスタイル・ワークスタイル・消費や余暇に関する考え方に急速な変化が生じております。当連結会計年度においては、リモート営業・電子契約システムの活用、シェアオフィス事業の拡大等、各部門においてコロナ環境下で加速した変化に適応した事業活動の推進に取り組むとともに、多様化する顧客ニーズの把握、新たな付加価値の検討・模索に努めてまいりました。
リスク項目 ⑦ 顧客及び事業継続に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク リスクカテゴリー (C)災害リスク
リスクの内容  大規模な地震、風水害、感染症の流行等により、当社や取引先等が事業を通常通り行うことが困難となり、収益を逸失するリスク及び収益機会が先送りされるリスクが発生する場合があります。
 収益を逸失するリスクとして、当社グループが保有・運営する施設の営業の休止または制約による賃料収入や運営収入の減少、営業機会の逸失による収入の減少等があります。また、収益機会が先送りされるリスクとして、住宅販売の営業の休止または制約による計上時期の変更、建設業者による工事の休止等に起因する工期の延長による竣工・計上時期の変更等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、地震・火災・風水害等の天災地変又は突発的な事故の発生により、当社グループが保有・運用・管理等をしている不動産の毀損又は滅失等を招くおそれがあり、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  当社グループでは、様々な災害発生の増加を重要な社会課題と認識し、行政及び防災の専門家等との協議を踏まえ、災害時の安心・安全の確保に努めるとともに、災害が発生した場合には、その影響を最小限に抑え、生活や事業を継続できるように防災に取り組むとともに、災害発生時の事業継続計画や行動計画等を策定し、当社グループにおける事業の継続に関する取り組みを行っております。
首都直下地震に関しては、事業継続計画(BCP)を策定し、非常時の指揮命令系統、事業継続のための任務分担などを定め、災害の影響を最小限に抑える体制を整備しています。また、年に一度「災害対策本部設置訓練」を実施し、事業継続計画(BCP)に定められている対応の確認(役職員の生命や安全の確保、指揮系統の確立、事業復旧)などを行い、非常時に備えています。
その他、「台風上陸想定時の行動チェックリスト」の策定や、海外での災害発生に対する準備・初動対応を定めた行動計画の策定を行っております。地震・火災・風水害等の突発的な事故の発生に関しては、当社グループの「品質マニュアル」における集中豪雨対策や浸水対策の規定、防災対応マニュアルの整備や防災ガイドブックの配布等の管理物件における居住者・管理組合・テナント企業・施設利用者等に対する防災支援等を行い、災害時の安心・安全を確保するための取り組みを行っております。

<新型コロナウイルス感染症に関する事項>
新型インフルエンザの流行に対応すべく策定されていた業務継続計画をベースに、当社グループにおける対応の基本方針を策定し、これらを随時更新するとともに、グループCEOを本部長とする対策本部を設置しました。同対策本部にて、政府や自治体等から発せられる情報を収集し、お客様及び従業員並びにその家族の健康確保と感染拡大の防止を優先事項と位置づけたうえで、事業継続のために以下の対応策を実施しております。

・リモートワーク及び時差通勤の積極的な活用
・リモートワーク実施のためのシステム環境の強化
・マスク着用の徹底、アクリルパーテーション及び消毒液の設置等による感染リスク低減策の実施
・感染者・濃厚接触者発生時の周辺接触者への在宅指示等、社内における二次感染リスク低減策の早期実施
・感染蔓延時の事業継続を目的とした、コア業務の選定及び行動マニュアルの策定
・感染予防及びPCR受検フロー等に関する共通ルールの策定と全役職員への周知徹底
・感染者・濃厚接触者発生時のグループ全体としての報告・指示体制の構築

また、感染拡大防止の観点から、フィットネスクラブの休館を決定するとともに、政府・自治体による休業要請の影響を被る商業施設テナントの事業継続を支援すべく、一定の範囲で賃料の繰り延べ・減免措置を採りました。旅行者の減少の影響を直接被ったホテル事業を含め、これらの事業では一時的な減収を余儀なくされましたが、事業活動を通じて社会課題を解決し、同時にお客様のニーズにお応えするという当社のサステナビリティの推進の考え方に沿った企業行動であり、中長期的な観点からは、企業価値向上に資するものであると考えております。
リスク項目 ⑧ 法令違反によるリスク リスクカテゴリー (D)内部リスク
リスクの内容  当社グループの主たる業務である宅地建物取引業に関して、顧客に対する重要事項説明の誤りや不実告知、不利益事実の不告知等の法令違反により当局から行政処分等を受ける場合があります。また、建築基準法、金融商品取引法、会社法、個人情報保護法、独占禁止法等、当社グループが事業を行う上で関係する法令に違反した場合、当社グループの信用の失墜、罰金等が課されることにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  役職員が法令等を遵守し、より高い倫理観に従って行動するための基本的な事項を定める「野村不動産グループ倫理規程」をはじめ、社内規程の制定と定期研修によるその周知徹底並びに継続的な教育及び啓発を推進しております。また、宅地建物取引業法等の主要な法令に関しては、法令遵守のため、各法令に応じた業務フローの策定を行い、研修やOJTによる周知徹底と法令遵守の定期的自主点検を行っております。
また、外国公務員等への不適切な接遇に関しては、「外国公務員等贈賄防止規程」「贈賄防止ガイドライン」を定め、海外事業に関係する役職員及び海外現地採用職員を対象として、定期的な研修を実施しております。
リスク項目 ⑨ 品質不良の発生によるリスク リスクカテゴリー (D)内部リスク
リスクの内容  当社グループが行う不動産開発事業において設計・施工等の不備が発生した場合、また、当社グループが賃貸・管理する施設において管理上の不備が発生した場合は、当社グループの信用の失墜、想定外の費用及び開発計画、運営計画の遅延が生じる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  不動産開発事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、当社グループにて「設計基準」(構造・建築・設備・電気)及び「品質マニュアル」を定め、設計・施工業務等の発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております。また、賃貸・管理する施設に関しては、管理に係る業務標準書、修繕工事における安全・仮設ガイドライン等を策定して業務を行うとともに、万一の不備や事故等に備え、損害保険を付保しております。
リスク項目 ⑩ 情報システム危機発生によるリスク リスクカテゴリー (D)内部リスク
リスクの内容  当社グループでは、お客様に提供する商品やサービスの多様性が増加している中、持続的な成長を実現するために、生産性と業務効率のさらなる向上が不可欠と考え、この改善につながるICT環境の整備とDX推進に向けて、インターネット(クラウド)のメリット(スピード・柔軟性・コスト)を積極的に活用しております。また業務遂行上の必要性から、各事業において多くの個人情報を取り扱っております。
 そのため、サイバー攻撃や不正アクセス等の不測の事態により、万一、当社のシステムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  情報システムやICTを活用した取り組みを積極的に推進している状況において、セキュリティの確保はこれまで以上に重要性を増していくと考え、インターネット接続における情報アクセスへの制限やログ管理と情報端末の紛失に備えた対策の強化、第三者によるシステム・セキュリティ診断の実施、ウイルススキャンや異常な動きに対する振る舞い検知システム導入等を行い、サイバー攻撃や情報漏洩に備えたICT環境整備を進めています。
個人情報に関しては、関係する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めており、当社グループにおける情報の組織的管理とセキュリティのレベルの維持向上を図ることを目的として「情報セキュリティ規程」及び「情報取扱ガイドライン」を定め、定期的に社員の教育・啓蒙を行い、顧客の権利や利益の保護と当社グループにおけるICT環境の安定的な運用を図っております。また、万一の情報漏洩等の事故発生に備え、サイバー保険を付保しております。
リスク項目 ⑪ 人材に関する事項への対応不備によるリスク リスクカテゴリー (D)内部リスク
リスクの内容  当社グループにおいて、人材は最大の財産であり、新たな価値創造による持続的な成長の源泉であると考えております。そのため、当社グループの従業員の勤務時間が適切に把握されず、長時間労働が行われることによって従業員の健康が害されたり、人事制度やその運用が労働基準に関する法制度に適合しないことにより当局から行政処分等を受けた場合、当社グループの人材の流出及び信用の失墜、罰金等が課されること等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、多様な人材(育児・介護等による短時間勤務者、性的マイノリティ、障がい者、シニア、外国人等)を受け入れる労働環境の整備が遅れることにより、必要な人材を確保できず、企業競争力の低下につながるリスクがあります。
海外拠点における人事労務面においては、現地労働関係法令・慣習等に反する制度の導入や運用により、当局から行政処分等を受けるリスク、現地従業員の退職によりノウハウを喪失するリスク、駐在員の現地での生活を適切にサポートする仕組みがないことにより駐在員の健康が害されるリスク等があります。
主な取り組み  当社グループは「活き活きと働くウェルネスの実現」を行動指針として掲げ、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を継続し、企業価値を向上していくために、すべての役職員が心身ともに健康で活き活きと仕事に取り組むことが企業の持続的成長につながる「ウェルネス経営」を目指しております。
また、多様な人材が働きやすい労働環境の構築のため、有給休暇の取得推奨、テレワークの推進、育児・介護等による休業や短時間勤務制度等の導入を実施するとともに、定期的な研修により、役職員の多様性に関する理解度向上に取り組んでおります。
勤務時間の適切な把握のため、勤怠管理システムを導入して管理を行い、特に長時間労働については定期的な状況のモニタリングを行っており、また、人事制度やその運用の遵法性については、定期的に社外の専門家による検証を行い、リスク顕在化の予防に努めております。
また海外においては独自の法律、文化、慣習があることから、外部の専門家等の知見を活用した人事労務制度の構築、駐在員の相談窓口の整備、医療機関の斡旋や受診のサポートを行うサービスの整備等を行っております。
リスク項目 ⑫ 不正、過失等の発生によるリスク リスクカテゴリー (D)内部リスク
リスクの内容  当社グループでは、役職員の不正、情報の不適切な管理による情報の流出、業務上の過失等によるリスクが発生する可能性があります。当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組み  当社グループでは、役職員が法令及び野村不動産グループ各社が定める社内規程及び規則等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、啓発を行っております。
また、当社及びグループ会社の各部室店にコンプライアンス推進責任者を配置することで、各職場におけるコンプライアンス活動の実効性を高める体制を構築しております。さらにグループ各社共用の内部通報制度「野村不動産グループ・ヘルプライン」を設置し、通報及び相談窓口を内部及び外部にそれぞれ設け、通報者に対しては、通報内容の機密を保証し、あわせて通報者が通報を理由に不利な取り扱いを受けないようにしております。