トップメッセージ

野村不動産ホールディングス株式会社
代表取締役社長
グループ CEO
沓掛 英二

当社グループは、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大している中で、常にウィズコロナ・アフターコロナを見据え、役職員、および各ビジネスで関連する皆さまの安心・安全を最優先事項と捉え、必要な対応・対策を講じております。

グループ企業理念と当社グループが担う価値創造とは

不動産開発は、計画や構想段階から、土地の取得、開発推進などを経て実際に社会に提供するまでに長い時間が必要です。そのため、常に先を見据え、未来を予測することが大切です。しかし、昨今のように大きく環境が変化する時代や局面においては、それに加えて、今何に集中して投資し、行動するべきか、という戦略をも同時に考えなければ、当社グループは変化に取り残されてしまうリスクを負うことになります。「現状、起きている社会変化をベースに未来を予測するフォアキャスティング」に加え、「予測した未来から現在取るべき戦略を導くバックキャスティング」の双方の考えが、今後私たちには非常に重要であり、言い換えれば、これからの不動産業は、変化を先取りし、あるいはニーズを捉えて変化を自ら創り出し、新たな価値をお客さまに提供することがより一層求められると考えています。
このような情勢下において、当社グループはお客さまや社会に対してグループ企業理念「私たちの約束」を掲げています。この理念は、事業を通じた取り組みの中で私たちが常に心に留める大切なものであり、不動産開発や不動産関連サービスを通じて「安心・安全で快適な街をつくり、そこに住まい、集う人々の暮らしや時を豊かにすることで、よりよいあしたを 創り出し、未来へつないでいく」という、お客さまや社会に対しての「私たちの約束」です。また、これは当社グループが持続的な価値向上に向けて目指す姿でもあり、すべての活動のベースになっています。このベースを踏まえて、2019年には2020年3月期から2028年3月期を計画期間とする中長期経営計画を策定し、同計画において「4つの価値創造のテーマ」を掲げると同時に、「CSR/ESG」を、成長を支える仕組みとして位置付け、事業活動を通じて持続的な社会・環境価値の創出を図ることを表明いたしました。

価値創造を通じた社会的課題への取り組み

企業活動の持続可能性を妨げる大きなリスクとして、地球温暖化や自然災害の増加、激甚化などの気候変動に加え、人権や労働問題などさまざまな社会課題や変化が挙げられます。それら社会課題に全世界で取り組むSDGsへの貢献は企業にとっての使命であり、事業を通じて社会課題を解決してきた当社グループならではのさまざまな取り組みが可能であると考えています。そこで当社グループでは、4つの価値創造のテーマの実現を通じて、社会からの要請にグループ全社を挙げて取り組み、社会課題の解決と共にビジネス成長に繋げる為に、社会課題に対して「安心・安全」「環境」「コミュニティ」「健康・快適」という4つの重点テーマを設定しております。
当社グループは不動産開発を中核ビジネスとしており、環境面における持続可能性に対して特に配慮する必要があります。大切なことは、環境へのマイナス影響をいかに軽減するか、だけではなく、我々が行う不動産開発や不動産関連サービスの提供によって、いかにプラスの影響を生み出せるかです。
CO2削減や再生可能エネルギーの創出・利用について、2030年までにグループ全体で保有する不動産からのCO2排出量を2013年比で30%削減するという目標を掲げていますが、それをさらに発展させ、売却済み不動産の環境性能にもコミットをするSBT認定の取得を目指します。物件開発時に厳しい環境基準を設けることはもちろん、資産運用部門においてREIT、ファンドが保有する物件についてESGに関する様々な取り組みを進めるなど、グループ一体となった取り組みを行っています。またTCFD提言についても、2020年9月に賛同表明を行いました。
2019年には国連グローバル・コンパクトに署名しました。これを契機に、より一層、人権・労働問題についても役割を果たしていきます。当社グループのCSR調達ガイドラインの運用も含めて、各ステークホルダーとより綿密なコミュニケーションを推進し、ステークホルダーからの信頼を得て、「共存」「共創」することが、当社グループの持続可能性において不可欠です。その点では、外国人技能実習生や木材調達に関わる現地住民の問題などは、特に注視して対応しなければならない課題です。
当社グループが担う価値創造は「都市型コンパクトタウン」や「芝浦一丁目地区」計画などに代表される大規模な街づくりやエリアマネジメントへと進化、拡大しています。安心・安全で快適な街づくりを通じて都市機能の充実を図ることに加え、コミュニティを育むタウンマネジメントに継続的に関与し続けることによって、地域社会とも一体となって永続的に街の価値を高めていく、これこそが当社グループが目指す価値創造の姿です。このように、社会課題に対して設定した「安心・安全」「環境」「コミュニティ」「健康・快適」という4つの重点テーマに真摯に取り組む為、より具体的な重点項目を策定し、事業活動に紐づけた目標を設定しております。
なお、これまでの当社のCSR活動の取り組みについて、今後はサステナビリティに統一した上で、より一層様々な取り組みを推進してまいります。また、SDGsの達成目標である2030年、それを超えたより長い目線でも社会課題をしっかりと認識し、当社グループがどのような貢献ができるのか、超長期的なビジョンをお示ししていく予定です。

サステナビリティの推進基盤 
「人材」と「マネジメント体制」への取り組み

企業活動の持続可能性を支える、サステナビリティへの取り組みを推進するための基盤として「人材」と「マネジメント体制(コーポレートガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメント等)を定め、具体的な取り組みを加速させています。

【コーポレートガバナンス】
当社グループは、2015年に監査等委員会設置会社に移行、翌年には、指名報酬諮問委員会を設置するなど、モニタリング型の監督体制を志向し、コーポレート・ガバナンスの継続的な進化に取り組んでいます。
 役員報酬制度においても、また、2019年には、環境や社会課題への取り組みを役員の業績評価に組み込みました。これは、事業活動の中にこそ当社グループが果たすべき役割があること表明する意味もあり、よりサステナビリティを意識したビジネスを推進するという経営のコミットメントと言えます。

【基盤としての人材の重要性】
また、基盤としての人材の強化も企業価値向上には欠かせません。当社グループは、社員が最大の資産であり経営資本であると認識し、「人材のマネジメント」を重視しています。すべての役職員が心身ともに健康で活き活きと仕事に取り組むことが企業の持続的成長につながる「ウェルネス経営」を掲げ、さまざまな施策に取り組んでいます。
女性活躍、障がい者雇用、外国人人材の採用の促進のほか、テレワークなどの柔軟な働き方への対応をはじめとする人材の活躍促進については、さらに改善の余地があると考えています。多様な人材が最大限に能力を発揮し、やりがいを持って働けるような取り組みや工夫を引き続き重ねていきます。

「私たちの約束」を果たすために

グループ企業理念である「あしたを、つなぐ」は、新型コロナウイルス感染症による経済情勢、社会環境の劇的な変化に対峙しても決して揺らぐものではなく、さらなる成長を遂げるための鍵として私たちの理念・指針であり続けるものです。
ステークホルダーの皆様におかれましては、当社グループの長期的な成長にご期待いただき、引き続き、ご支援いただきますよう、お願い申し上げます。