CSR | 野村不動産グループのCSRCSR委員長メッセージ

事業の中で環境・社会課題の解決に向き合うことは、
社会やお客さまのニーズに応えること。
CSRの推進を、商品・サービスの開発や
新しいビジネスにつなげる機会とする

代表取締役副社長
グループCOO
宮嶋 誠一

社員の心身の健康を何よりも大切にし、「ウェルネス経営」を推進する

2017年12月25日、グループ会社の野村不動産は、本社および地方4事業所を管轄する労働基準監督署から、一部の職員に適用していた企画業務型裁量労働制に関する是正勧告・指導を受けました。今回の問題を大変重く受け止め、この様な事態を二度と起こさぬよう労務管理の徹底および職場環境の改善に全力で取り組み、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまからの信頼回復に努めてまいります。
当社グループは、2017年4月より、「働き方改革推進委員会」を立ち上げ、私はその委員長として、生産性向上と労働時間の短縮やワークライフバランスの向上に取り組んでまいりました。事業ごとに阻害要因を抽出・分析し、時間や場所にとらわれない働き方やメリハリのある働き方に向け、必要な人事制度や施策も整えてきました。そしてさらに、経営トップおよび役員が社員と課題をしっかりと共有し職場環境における必要な改善策を着実に実践することが重要であるとの認識の下、経営トップと社員とで行うミーティングを延べ40回ほど開催し、業務や労務について社員の声を直接聞き、議論し、具体的なアクションにつなげていく活動を今まさに進めています。
改めて、社員は最大の財産であり、社員の心身の健康なくして、当社グループの持続的な成長はありえません。全ての役職員が心身ともに健康で、活き活きと仕事に取り組むことができるよう、「ウェルネス経営」を推進していきます。

グループを取り巻く事業環境の変化と、それに関するリスクと事業機会

日本においては現在、企業業績が回復し、低金利・低インフレの続くいわゆる適温経済が続き、不動産マーケットにおいてもキャップレートが低下し不動産価格や建設コストが上昇しながらも、安定した取引が行われており、おおむね堅調と言えます。一方で、日本の社会構造を長い目で見ると、人口減少・少子高齢化による需要の減少や、働き手の不足などさまざま社会課題が存在します。そして環境関連においても、地球温暖化による気候変動や自然災害などの脅威が拡大しています。
世界的には、「持続可能な開発目標(SDGs)」や、パリ協定といった世界共通の枠組みが生まれ、今後、企業においても環境・社会課題への取り組みを一層強化することが期待されます。
環境・社会課題をリスクと捉える側面もありますが、私は、事業活動の中で課題解決に向き合うことは、すなわち社会やお客さまのニーズに応えることであり、商品・サービスの開発や新しいビジネスの機会にもつながると考えています。
例えば、人口減少や少子高齢化は需要を減少させる一方で、価値観やライフスタイルを多様化します。そのニーズに応えることが商品・サービスの差別化となり、企業競争力を高めることになります。労働力の減少については、働き方改革による生産性の向上、IoTやAIを駆使したシステムなどによる代替へと、大きなイノベーションが既に起こり始めています。
また、気候変動に対しては、パリ協定や国連の持続可能な開発目標(SDGs)など世界的な取り組みが進められています。そのような流れの中、自然災害の発生に対して防災性能やBCP機能の強化がますます求められ、加えて環境対応の強化はコスト対応を伴いますが、低炭素・環境配慮型の商品・サービスの開発につながります。それは、地球に優しく、人に優しく、かつお客さまや社会に対して経済的負担の軽減をもたらすなど、新たな価値を提供することができます。
また地方活性化のため地方創生・コンパクトシティが進められていますが、当社グループでは都心・地方に関わらず、人々が「住まい」「働き」「集い」「憩う」多機能集約型で利便性が高く、地域コミュニティの活性化にもつながる「都市型コンパクトタウン」の開発に注力しています。さまざまな開発事業を起点とし、企業理念である「未来につながる街づくり」とその運営やコミュニティ創造などによる「豊かな時の育み」の実現を目指し、事業活動を通じて企業の社会的責任を果たしていきます。

CSR/ESGの取り組みを強化した1年

当社グループは、社会課題を分析・抽出し、私どもが取り組む重点課題として「安心・安全」「環境」「コミュニティ」「健康・快適」の4つを重点テーマとして定めております。また、「人材」とコンプライアンス・ガバナンスなどの「マネジメント体制」の2つを、その推進基盤として位置付けています。
持続可能な企業であるためには、社員の健康が何より大切であり、社員が活き活きと仕事に取り組むことが不可欠です。その上で、働き方改革の推進により生産性を向上させ、ワークライフバランスを整え、社員の自由な時間をひろげる。そのことによって生きがい、働きがいを感じ意欲やスキルを高め、社員の成長と企業の成長につなげていきたい。この好循環が企業価値を高め、持続可能な企業へとつながっていくのだと確信し、さまざまな取り組みを継続して実践していきます。
2018年3月期はCSR/ESGの推進活動をグループ全体で強化していくために、グループ方針を共有し、日々の事業活動を通じて社員一人ひとりが実践していくということの理解・浸透を図りました。そのために重点テーマに基づき各事業部門ごとに具体的な目標も設定しました。これらの目標は、「持続可能な開発目標(SDGs)」にも紐づけて整理しています。ただし、目標設定の過程では当社のポジショニングが把握できていない部分もありますので、全社的に定量把握を行い、新たな目標設定と並行して進めていきます。
また、CSR/ESGの取り組みを進めるうえでは、当社自身のみならず取引先やサプライヤーなどの協力が不可欠となりますので、2018年3月期に「野村不動産グループCSR調達ガイドライン」を策定しました。2019年3月期から運用を開始したいと考えています。当社グループの事業は、開発・建築から運営・管理まで、さまざまな技術やサービスを必要としており、設計会社や施工会社、サービスプロバイダーなど多くの取引先やサプライヤーと協業しています。当ガイドラインを基に、サプライチェーン全体で環境・社会課題に取り組んでいくことが重要です。取引先やサプライヤーの皆さまにはご理解とご協力をお願いしていきます。
2019年3月期は、さらに環境問題への対応を強化します。すでに、品質管理・建築統括役員が責任者となって、環境分科会を立ち上げ、環境マネジメント体制やエネルギー・二酸化炭素排出量の中長期削減方針などについて検討を進めています。当社のポジショニング把握、目標設定、成果・要因チェック、目標の再設定と、PDCAを回しながら、CSR/ESGの取り組みを強化していきます。

ステークホルダーにとっての価値を高め、当社グループの成長を確かなものに

企業が持続的成長を果たすためには、ステークホルダーとの結びつきが大変重要です。総合不動産グループとして、街づくりとサービス・マネジメントを担う当社のステークホルダーの裾野は大変広いものです。ステークホルダーとともに新たな価値創造を続けるために、継続して取り組んでいきます。また、資本市場においても、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した投資が急速に拡大しており、ESGへの取り組みや適切な開示によってこれらの活動を推進することが重要となります。事業活動におけるCSRやESGに対する積極的な取り組みを通じて社会に貢献し、投資家や株主を含めたステークホルダーの要請にお応えしていきたいと思います。
当社グループが、独自性の高い魅力ある企業グループとして、ステークホルダーの皆さまからの信頼と期待にお応えできるよう、今後もチャレンジと変革を続けていきます。

ステークホルダーとの約束